社内 IT の実務ガイド ・ 技術解説 ・ 2026-10-15

不審な通信を聞かれたら、すぐ答えられますか?ルーターとUTMの違い

こんな方に:経営者の方・社内の IT を兼任している方|約4分で読めます

この記事のポイント

  • 取引先から、特定の通信先と通信していないかを聞かれることがあり、回答の期日は相手が決めます
  • 通信の記録は、設定しないと残らず、機器の中では古いものから消え、読み解くのにも時間がかかります
  • UTM で記録を残してすぐ調べられる状態にし、記録を何日分・どこに残すかまで決めておくのが備えです

取引先から「このIPアドレスと通信していないか、確認して回答してください」と頼まれたら、すぐに答えられますか。守りの設備があるのは、今では当たり前です。差がつくのは、何かあったときに、すぐに調べて答えられるかどうかです。

何が起きているのか

取引先やその関係先で不審な通信が見つかると、つながりのある会社にも「同じ相手と通信していないか」の確認が回ってくることがあります。当社がご相談を受けた現場でも、取引先から、こちらの都合とは関係なく、短い期日を切って通信の有無の回答を求められたことがあります。

照会の期日は、相手が決めます。こちらの繁忙期かどうかは関係ありません。

攻撃する側の手口も、手軽になっています。IPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、組織向けの脅威の一つに「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が選ばれ、その解説では、AI の悪用によって攻撃が容易になっていることが挙げられています。守りの設備を入れているだけでは、もう差になりません。

なぜ、すぐに答えられないのか

照会に答えるには、「いつ・社内のどの機器が・どこと通信したか」の記録が要ります。ところが、この記録には3つの落とし穴があります。

記録は、残す設定にしないと残らない

社内とインターネットの出入口にあるルーターの記録は、設定しだいです。たとえばヤマハのルーターでは、通信を記録する機能(フィルターの記録)を使うには、事前に記録の設定を有効にしておく必要があると、メーカーが説明しています。

設定していなければ、照会が来た時点で、さかのぼって調べる記録がありません。

機器の中の記録は、古いものから消えていく

JPCERT/CC の資料でも、記録を取れる機器の中には、保存できる量にわずかな余裕しかないものや、再起動すると記録が消えてしまうものがあると指摘されています。

通信の多い会社ほど、記録は早く上書きされます。照会の対象が少し前の話だと、記録はもう残っていないことがあります。

記録があっても、読み解くのに時間がかかる

記録が残っていても、それを読み解くのは、普段ネットワークを触らない方には大変な作業です。限られた業務時間の合間に、慣れない記録を一行ずつ追うことになります。

本当に被害が起きている場合は、調べている間、社員全員の仕事が止まる時間も長くなります。すぐに対応できること自体が、会社全体の得になります。

いまのうちに確認しておきたいこと

まずは、次のことが社内で分かるかどうかを確かめてみてください。

  • 社内とインターネットの出入口にある機器(ルーターや UTM)は何か
  • その機器は、通信の記録を残す設定になっているか
  • 記録は機器の中だけか、別の場所にも保存しているか
  • 何日前までさかのぼって調べられるか
  • 照会が来たとき、誰が記録を見て、誰が回答するか

答えられない項目があれば、照会が来た日に慌てることになります。

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ルーターで記録を残す

今のルーターでも、設定を変えれば通信の記録を残せることがあります。ただ、記録の量は多く、機器の負荷も増えます。どこまで記録するか、どこに保存するかを、機器の能力と社内の使い方に合わせて決める必要があります。

IPA の中小企業向けのガイドラインでも、通信の記録や認証の記録を取得・保管し、定期的に見直すことが勧められています。

UTM で、止めて・知らせて・すぐ調べる

すぐに調べて答えられる状態を整えるなら、当社は UTM(ネットワークの出入口でまとめて守る機器)がいちばん向いていると考えています。たとえばヤマハの UTM では、メーカーの説明によると次のことができます。

  • 感染した端末と、攻撃者が遠隔操作に使うサーバーとの通信を見つける
  • 接続先の情報をもとに、危険なサイトへの通信を止める
  • 怪しい動きを、スマートフォンへすぐに知らせる
  • 記録を管理画面で確かめる

記録を画面で確かめられるので、IT に詳しくない方でも、提出の求めがあったときに対応しやすくなります。

ただし、UTM も機器である以上、中に残せる記録の量には限りがあります。JPCERT/CC の資料では、各機器の記録を集めて、長く保存できるサーバーに残すことが望ましいとされています。UTM を入れるときは、記録を何日分、どこに残すかまで決めておくことが大切です。

また、メールの添付ファイルを開いてしまう被害や、社外へ持ち出したパソコンは、UTM の外側の話です(よくある質問)。

今のままでよい場合もあります

社内にサーバーや共有の保存場所(NAS)を置かず、仕事がクラウドのサービスだけで完結している会社は、UTM の出番は小さくなります。その場合は、無理に UTM を入れる必要はありません。

通信の記録が残っているか分からないときは

上の確認で分からない項目があれば、お問い合わせから「通信の記録の確認」とお書きください。一緒に確認します。確認の結果、今のままでよければ、そうお伝えします。

ご相談は無料です。確認や手続きの作業が必要なときは、着手前に金額をお伝えします。

クラウドだけで仕事が完結している会社には、UTM を前提にせずご提案します。

お問い合わせ

エコソリューション株式会社(大阪市西区)訪問できる範囲:大阪府・京都府・滋賀県

参考にした公開情報

記載の内容は 2026-10-15 時点で確認できた情報にもとづきます。

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